われ敗れたり

今日の電王戦FINAL第2局の結果について一部の方から批判的な意見が出ていることに非常にがっかりしています 😥
永瀬六段がSeleneの弱点を突いたのは確かです。但し、これについては今から約3年前に故米長永世棋聖が言及しています。私は将棋の普及に努められた米長先生を尊敬していますが、米長先生がボンクラーズとの戦いについて書いた「われ敗れたり」のP56~58にこんなことが書いてあります。以下は抜粋。

そしてこの詰将棋の正解手順は、その中の答えの一つ、「2三角成らず」が正解です。成ってしまうと詰まないのですね、(中略)このたった七手の詰将棋、弱い人でもちょっとヒントをもらえば「そうか」と解けそうな詰将棋が、どういうわけかボンクラーズには解けないのです。(中略)「成らないほうが得になる」というケースが計算に入ってないんですね。これはボンクラーズの欠点の一つです。

米長永世棋聖vsボンクラーズは電王戦を語る上で非常に大事であり、「新米長玉」といわれる2手目6二玉に代表されるように米長先生が命をかけて勝利を掴もうと戦った対局です。ニコニコ生放送でも100万人が見守ったと言われていますし、この本を読まれた方も多いと思います。
私が言いたいのは「成らず」への対応は既知の問題だということです。Seleneについては西海枝は潔く負けを認めてくれましたし、何より意図をもって飛角歩の「成らず」への対応を外してあったわけで、私は何も言うことはないです。そして既知の弱点を突いた永瀬六段に罪はないということを将棋を愛するすべての人に知ってほしいと思います。電王戦、ホントすばらしいな~ 🙂

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