カテゴリー別アーカイブ: 将棋

MinMax法

電王戦と自分の将棋の弱さに影響され、コンピュータってどういうふうに考えているのかを少し調べてみました。その中で頻出する言葉が「MinMax法」、詳しい説明は他のサイトを参考にしていただければ良いと思うのですが、簡単に説明すると以下の通り。

  • 局面を数値化する
  • 自分は自分にとって最善の手を選択する(当たり前、人間もやっている)
  • 相手は自分にとって最悪の手を選ぶものとする(当たり前、人間もやっている)
  • 数手先まで読む(当たり前、人間もやってる)

つまり、難しい言葉は使っているものの、局面を数値化すること以外は人間と同じことをやっているだけですね 😯
局面の数値化についても調べてみるかな~ 😕

<参考サイト>
リバーシプログラムの作り方

われ敗れたり

今日の電王戦FINAL第2局の結果について一部の方から批判的な意見が出ていることに非常にがっかりしています 😥
永瀬六段がSeleneの弱点を突いたのは確かです。但し、これについては今から約3年前に故米長永世棋聖が言及しています。私は将棋の普及に努められた米長先生を尊敬していますが、米長先生がボンクラーズとの戦いについて書いた「われ敗れたり」のP56~58にこんなことが書いてあります。以下は抜粋。

そしてこの詰将棋の正解手順は、その中の答えの一つ、「2三角成らず」が正解です。成ってしまうと詰まないのですね、(中略)このたった七手の詰将棋、弱い人でもちょっとヒントをもらえば「そうか」と解けそうな詰将棋が、どういうわけかボンクラーズには解けないのです。(中略)「成らないほうが得になる」というケースが計算に入ってないんですね。これはボンクラーズの欠点の一つです。

米長永世棋聖vsボンクラーズは電王戦を語る上で非常に大事であり、「新米長玉」といわれる2手目6二玉に代表されるように米長先生が命をかけて勝利を掴もうと戦った対局です。ニコニコ生放送でも100万人が見守ったと言われていますし、この本を読まれた方も多いと思います。
私が言いたいのは「成らず」への対応は既知の問題だということです。Seleneについては西海枝は潔く負けを認めてくれましたし、何より意図をもって飛角歩の「成らず」への対応を外してあったわけで、私は何も言うことはないです。そして既知の弱点を突いた永瀬六段に罪はないということを将棋を愛するすべての人に知ってほしいと思います。電王戦、ホントすばらしいな~ 🙂

電王戦FINAL第2局は永瀬六段の勝利

今日は時間に余裕があり、一日かけて観戦させてもらいました。ニコニコ生放送とTwitterを利用しながらの観戦でしたが、双方向のコミュニケーションや電王戦ならではの派手な演出も重なって、久しぶりにゆっくり将棋を楽しめました 🙂
肝心の対局は先手Seleneが変則的な駒組みから右玉を、永瀬六段が居飛車+銀冠を選択し、熱戦になりました。中盤Seleneが駒得したものの、永瀬六段が飛車をうまく使ってSeleneに角金交換を強要し、なおかつ端攻めから優位を築き、最後はSeleneのバグを突く「2七角不成」。Seleneは王手なのにこれを認識できずに放置して、投了となりました。
永瀬六段の「2七角不成」には賛否両論あると思うのですが、個人的にはこれで良かったと思っています。永瀬六段はかなりの時間をかけてSeleneを研究したわけですし、Seleneも既知の問題としてこれを放置したわけですから。また、仮に「2七角成」を永瀬六段が選択したとしても、優勢は動かなかったでしょう。Seleneを開発した西海枝も潔く不具合を認めてくれましたし、すばらしい対局になりました。
深くSeleneを研究した永瀬六段、Seleneを開発した西海枝さんには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう、そしておつかれさまでした 🙂
ただ、それにしても「2七角不成」には私だけでなく、ニコニコ生放送を見ていた全員がびっくりさせられたな~ 😯

3月21日、プロ棋士と将棋ソフトによる5対5の団体戦「将棋電王戦FINAL」の第2局・永瀬拓矢六段対Seleneの対局が行われ、Seleneがプログラム上の問題で「角成らず」を認識できず反則負けになるという異例の結末を迎えました。
 将棋は一進一退の攻防が続きましたが、終盤、永瀬六段が王手で「2七角不成」という手を指したことで解説陣やニコニコ生放送の視聴者から大きなどよめきが。成ることで明らかに駒が強力になる「飛車・角・歩」は、「打ち歩詰め」という反則を避けたいというごく一部の例外を除き、実戦ではまず登場しない異例の手。そのためSeleneにはこの3駒の「成らず」がプログラムされておらず、別の指し手を入力してしまったため、「王手放置」で反則負けと判断したとのことです。
 コンピュータ将棋ソフトは無駄な手を読むことを省略することでより深く手を読めるため、一部の駒の「成らず」を認識する機能を搭載しないソフトもあるそうです。永瀬六段はこの問題を事前の研究段階で認識しており、この手を指した直後に「角不成りを認識できないと思います」「放っておくと投了するのでは」と指摘。ただし、「勝敗に直結するので本番では修正されているかもと思っていた」ためこの局面で選択したとのこと。普通に指した場合でも永瀬六段の勝ちは有力だという局面で、終局後には大盤解説会場で詰みへの読み筋なども披露していました。

中川慧梧さんの三段リーグ編入試験挑戦について

つい先日YouTubeで「偏差値じゃない。奇跡の高校将棋部」を見たのですが、この番組の主人公と先日三段リーグ編入試験に挑戦した中川さんが同一人物であることにようやく気がつきました 😯
編入試験の結果は不合格、残念な気持ちがある反面これで良かったのではないかな~と思います。彼の生い立ちの説明はYouTubeに任せますが、奨励会に入れなかったものの、アマとしては抜きに出た実力者です。そして今回の機会が設けられたと思うですが、これでパッと三段リーグに入れたらおかしな話です。三段リーグから抜け出しプロになるのはかなりの難関ですし、涙なしには語れない数多くの物語もあります。いくらアマの実力者とはいえ、死に物狂いで自分の将棋を高めようとしている集団に簡単に入れるわけがないですし、奨励会員からしたら「ナメンなよ」って感じでしょう 😕
もちろん中川さんの将棋や人格を否定するつもりはありませんし、時間をかけて、もっと実力をつけてプロを目指してもらうのは大歓迎です。将棋ファンとして、応援したいと思います 🙂

片美濃囲いの戦況判断(馬に対する受け)

一時期急上昇した片美濃囲いでの勝率ですが、ここへ来て停滞気味です。龍に対する対策はある程度明確だったのですが、馬に対する対策が不明確だったので、整理してみました。馬に対しては龍のような早い攻めはないのですが、玉が逃げた場合に3五馬と旋回できるのが特徴で、黄色の金を角でダイレクトに取られたり、5二から金を動かされて、△3九銀が入るともうダメです。
なので相手の持ち駒を見ながら馬を追い、急所の3九地点を安全にすることを心掛けたいと思います 🙂

2015-03-20-katamino